今回はその内訳として適切な配当政策を考えていきたいと思います。
▽配当を考えることとは?
まず考えるべきは配当の源泉です。
これは当期の利益で賄うべきでしょう。
足元の蓄えや借入から配当を出すことも短期間は可能ではありますが、継続性の観点から適切とは言えないです。
そういう意味で配当政策は「利益の使い道」を考える事であるといえるかと思います。
▽投資と配当
では配当(株主還元)以外にどのような利益の使い道があるかといえば、現在の事業を補強するもの・新規事業の発掘・買収etc...細かくはいくらでもあるでしょうが一言で言えば現在の利益を補強するための「投資」に当たると思います。
(この金をどう使うのが適切か?)
を考えるわけです。
この際、優先度は投資 > 配当になるべきです。
なぜならここでいう投資は投資額以上のリターンが期待できるものを指し、配当とは1円を1円に確定することだからです。
(どの程度の投資額以上を期待するかは経営者のセンスに依るかと思いますが、1円が1円以上の働きをするというのは絶対の規律でしょう。
実際には投資回収の期間・想定違い(投資失敗)も考慮してより大きな期待倍率を採用することが適切かと思います。)
そういった意味では意味もなく利益を内部留保として積み続けることや、明らかに期待値以下の投資ばかりすることは経営の無能さの象徴といって差し支えないかと思います。
▽連続増配は是か非か?
私の考える適切な配当政策をまとめると、「期待値の高いものに投資し余った分を配当とする」と言えるかと思います。
さて翻って連続増配の妥当性ですが
・外部環境が変わり続ける中で上記での配当部分が自然に増え続けるとは考えにくい
→一度事業が成熟期に差し掛かったとしても、投資に全力を注いだ方がいい時期もあるでしょうが、連続増配のステータスを守るために歪みをもたららす
・連続増配というステータスを守るために緩めの増配幅を設定するのではという疑念
→投資にならないものは全部還元してほしいですねぇ
という意味で最適な配当政策からズレるバイアスを持っていると考えます。
ただし、頭で考える理屈と現場の理屈が異なることも理解しているつもりです。
連続増配するということは何にも代えた株主還元の意図を伝える手段となりますし、長年増配できることは一過性でない利益成長の証拠でもあります。
常に想定外のダウンサイドが存在することを考えれば、多少のバッファを持つこともそう悪いことではないでしょう。
というわけで結論としては連続増配は最適解ではないものの、イケてる部類の妥協点であるといえるかと考えます。
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