2018年3月14日水曜日

金融庁の毎月分配型投信撲滅活動でJ-REITの投資妙味アップ

J-REITが軟調です。
一時2000付近まで到達していた東証REIT指数も現在1600付近をうろつく状況。
そのおかげもあり3%程度だった利回りが4.2%程度まで戻ってきています。



▽REIT指数不調の理由
不調の理由は一つではないと思います。
日銀の買い入れが常態化したことでインパクトが薄れてきていること、単純に高騰の反動、直近なら海外の金利上昇によるインカム資産への売り圧力などそれらしいものは多々あるかと思います。
そんな中でも私は金融庁指導による投資信託の健全化に注目しています。

フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)
詳細は割愛しますが、金融庁は「フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)」を掛け声に金融機関に対して改善を求めました。
要は「顧客本位に業務を行いなさい」「資産を預けた人の資産最大化を阻害するような行為をするな」というような内容です。

上記は当たり前だろうと思うかもしれませんが、金融機関の現場では顧客と業者で利益相反が横行しているのが実情なのです。
金融機関としては手数料収入を得ることが目的になるため顧客の資産状況は直接的にはどうでもよく、持ち前の営業力で高回転売買をさせるようなことが常態化しているわけです。

その一環として不適切な商品設計としてやり玉に挙がったのが毎月分配型投信です。
毎月分配型投信は高頻度で分配金がでるものの利益以上の分配は単純に投資した資金を切り崩しているだけという資産形成には向かない物なのですが、「安定した資金需要」を求める層には売りやすいということで投信界隈を席巻しました。

そしてその投信のテーマとしてインカム資産であるREITがベストマッチだったわけです。

▽REIT系投信の資金流出超過
金融庁の指導に前後してREIT系の投資信託への資金が流入超過から流出超過に転じます。
急激に顧客のリテラシーが向上するということも考えづらいので、営業の自粛が行われていると推察します。
営業の意向でそこまで変わるとは、営業力のすごさと顧客の無頓着さに驚きますね。


上記はモーニングスターから引用した2018年2月の投資信託への資金流出入速報です。
内外のREITが全期間で流出超過になっていることが分かります。



同様にファンド単位の流出超過ランキング。
RIET・毎月分配タイプが多いことが見て取れます。

今後の金融庁のスタンスは予測しにくいですが、直近では上記の傾向は継続されるだろうと予想します。

▽J-REITの投資判断
J-REITの現状としてはオリンピック以降の不動産価格という悪材料はあるものの、足元のファンダメンタルは良好です。
業績は横ばいないし上向きが多いと見ています。
前述のような業績に影響のない要因で価格が下がるなら、投資対象としての妙味はアップしていくと考えています。

株式100%が基本の私としては判断が難しいですが、利回り4.5%程度まで価格が下落するなら投資対象として検討するのもアリかと考えています。

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