配当を下落相場のプロテクターとする言説があるようですが、やや不適切かと思います。
心理的に無配より有配のほうが保有継続しやすいという意味であれば異論はないのですが、配当があることで株価下落の抵抗要因になるという考えは安直かなと思います。
配当の利回り水準でグループ分けしてバスケット買いした時に、利回りが高い方が下落が緩やかだというのは正しいとは思うのですが、配当が直接的な要因と判断するのは違うのではなかろうかと。
因果と相関は別物だよねという話で、単純にミスプライスによる平均回帰(高利回り=売られすぎ)だという理解のほうが実情に合っていて、割安のスクリーングをしているに過ぎない話だと思います。
そういった傾向があるということ自体は注目すべきですが、配当があれば下落を和らげるんだ~というような理解だと悲しい思いをするのではないかなと思う次第です。
というわけでバスケット買いならいざ知らず、個別株でそういった考えを持つのは無意味だろうなという主張となります。
結局は下落の要因と個別株毎の事情(セクターや過去の決算の良し悪しetc...)次第という身も蓋もない話に落ち着くのかなと。
強いて下落相場のプロテクターを挙げるとしたら「信用」でしょうか。
投資家は強欲で臆病な生き物ですから、実績と明るい先行きを常に示し続けなければ離れて行ってしまいます。
株主が満足する経営・業績を継続することが一番のプロテクターということですかね。
直近で下落相場に強いアマゾン(無配!)なんかは信用が行き過ぎて、信仰の域に到達しつつあります。
信者がこの先も儲かるかは分かりませんが、投資家からの信頼が相場下落から守る構図は変わらないだろうなと思います。
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