詰まるところでインフラファンドに関する懸念は制度面、とりわけFITの期間(20年)が終わった後の収益がどうなるかに集約されています。
現時点では推察以上のことはできないのですが、プロである運用側がどう見ているかを確認することで理解を深めていこうかと。
〇IRを見てみる
国内初のインフラファンドのタカラレーベン・インフラ投資法人のIRにちょうどいい資料がありました。
国内インフラ資産の取得及び貸借に関するお知らせ
インフラ設備取得時の見積もりに関する資料で注目したのは契約期間内(20年)の最低保証賃料です。
実際には発電量に応じて+αがあるので、実際の収益とは乖離しますが傾向を見るには問題ないかと。
例として「LS 三重四日市発電所」分を以下に書き出しておきます。
インフラ設備の前提を記載するとこんな感じです。
・買取価格40 円/kWh
・FIT期間は2014年~2034年(すでに4年弱経過している)
→17年目(赤字)の9月でFITは終了している
〇推察
分かることとしては
①最低保証賃料は年々下がっていく
②FIT期間での下げ幅は0.5%程度
③FIT終了後大幅に最低賃料がる
こんなところでしょうか。
①②は施設の経年劣化による発電量の減少を想定してのことと予想されます。
運営は年間の劣化を0.5%程度と見込んでいるということですね。
→これは個人で発電をしている方なんかのデータと照らし合わせても妥当 or やや保守的な見積もりなように感じます
③は固定買取完了による影響でしょう。
この例だと17年目は一部FIT期間になっているので、比較し難いですがFITあり→なしで概ね7割程度減少しているようです。
発電量が同じなら売り上げは単価依存なので運営はFIT終了後は買取価格10 円/kWh程度を想定しているということでしょう。
→現在の市場価格とも乖離していないので無難な見積もりかと
やはりFIT終了後の落ち込みが目に付きます。
ただ、FITの単価はどんどん切り下がっているので後発の36円→32円のインフラ資産になるにつれ落ち込み幅は小さくなっていくことが想定されます。
もちろんそれを想定して評価額と買い取り額を決めるのですが、、、
逆にここがクリアになるような法整備が成されれば最大のアップサイドになりうるともいえます。
どちらかと言えば経年で価値が下がっていく仕組みなことのほうが気になります。
REITも同じといえばその通りなのですが、単価交渉やリフォームによる価値向上の余地がある分その点はREITの方に優位性がありそう。
結局のところインフラファンドの戦略としては定期的に借り入れ・POをして設備取得をしていくことでFIT終了のXデーの影響をずらし込んでいくしかないということですかね。
設備取得に関する交渉や・ファイナンスなどファンドの腕の差が出そうな感じです。
そこまで先を考えず5年くらい5-6%程度の配当をもらって売り抜ければいいじゃんという考えもありますが、そこは投資家としての悩みどころですかね。
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