今月の一大イベントであった日銀政策決定会合が終わりました。
マイナス金利深堀り・資産買い入れの増額は無く、既定路線拡張という意味での追加緩和はありませんでした。
ただ現状維持だったかというとそうではなく以下2点が目につきました。
①イールドカーブ・コントロールの導入
新たな横文字でなんのこっちゃという感じですが、要は「長期金利が0%付近になるように国債買い入れを行う」ということみたいです。
現状のイールドカーブがほぼフラット化した状況を脱して長短の金利が右肩上がりになるようにコントロールすることが目的と思われます。
ただ、「インフレ率2%」という目標達成のためになぜイールドカーブを操作する必要があるのか、
なぜ長期金利(10年国債利回り)0%が適切なのかの説明が無く目的と手段の整合性が感じられません。
正直、マイナス金利で銀行業に迷惑かけたんで融資しやすい環境作り(長短の金利に差があれば銀行は利ザヤを得られる)しましたというのが実情になのではと勘繰ります。
また導入の是非とは別に、イールドカーブのコントロールができるのか?という疑問もあります。
仮に国債に大きな売り圧力が発生した場合は、日銀が国債を買い入れることでコントロールする必要があるにもかかわらず、国債買い入れ額は現状程度(80兆)としているのは矛盾するように感じる。
また逆に国債に大きな買い圧力が発生し場合はイールドカーブを保つために、日銀は国債を売るのだろうか?
そうなれば金融的には縮小方向の対応となってしまいます。
矛盾が多いという印象です。
②ETF買い入れをTOPIX型主導に
買い入れ限度額を以下のように見直しました。
・対応前
3指数(日経・TOPIX・JPX)の時価総額比
・対応後
年間買い入れ額5.7兆円のうち3兆円は従来通り、2.7兆円はTOPIX
ここ最近日銀が日経企業の大株主になっている批判に対しての対応でしょう。
TOPIX主導とすることで、1企業毎の買入ペースはスローダウンするものの問題が先送りになっただけに感じます。
最終的な出口の議論を進めないとこの問題は解決しないですね。
短期の市場としてはTOPIX採用企業にはプラス、日経企業には微マイナスといった感じでしょうか。
買い支え相場は続きますね。
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