2017年9月22日金曜日

生活必需セクター苦戦中:懸念材料を整理する

S&P500が最高値を更新する昨今ですが、生活必需品セクターがぱっとしません。
以下は生活必需品セクターETFのXLPの直近半年・1年のチャートです。

◆半年

◆1年

青線がXLP、比較対象としてS&P500(IVV)を赤線で入れています。
トランプ相場始まり位から劣後しているのが分かりますね。

1年程度の期間に理由をつけてもしょうがないかもしれませんが、いい機会なので生活必需セクターが抱えている懸念材料を整理していきたいと思います。

▽構成銘柄・産業別比率
整理する前に同セクターがどういう銘柄で構成されているかを見ていきます。
先ほども出ていたXLPの構成銘柄上位と産業別比率を以下に示します。




私の保有銘柄でもあるPGが比率1位ですね。
突っ込んでもしょうがないのですが、ウォルマートやCVSヘルスなんかの小売店がこのセクターに属しているのが違和感を感じます。

産業別比率を見た感じとしては、タバコが思いのほか大きいですね。
PMとMOだけで15%です。
1銘柄の割合を無視すれば均等に分かれているとも言えるかと思います。

全体の俯瞰が済んだので、本筋の懸念材料を挙げていきます。

▽懸念材料
①長期金利上昇
利上げによって長期金利は(もたもたしつつも)上昇しています。
同セクターは成長性が低く収益の波が少ない傾向があるので、配当を目当てにした投資家に人気があります。
金利が上昇すると債券が相対的に魅力が上がるので、株式全体にマイナスですが同セクターは特にこういう場面で売られがちです。

②FDAによるタバコの規制
FDAがたばこのニコチン量削減に関して計画を出しました。
それによりたばこ株(特にMO)は大きく下げを喰らっています。
具体的にどのようにするか情報が出ていないので影響範囲が見えていませんが、投資家心理的にはもやもやしている状態のほうが株価に悪影響です。
先行きがはっきりするまで軟調な展開が予測されます。

③Amazon
特に説明はいらないかと思います。
とりあえずアマゾンがなにか発表すれば小売りが下げるのが恒例となりつつあります。

④PB(プライベートブランド)
日本でもそうですが、近年PBの存在感が大きくなっています。
セブンイレブンのPB商品なんか必要十分な味で、値段が安いですしね。
こういったことが世界的に起こっていくのかなと。
特にこだわりもないけど知ってるから買うくらいの層(マーケティングの成果とも見れる)が、価格という分かりやすいメリットを提示され流れていくのは納得がいきます。
お菓子や加工食品銘柄にとっては大きなマイナスかと思います。

⑤消費者の嗜好の変化(健康志向への移行)
炭酸・タバコ・砂糖etc...とりあえず健康に悪そうなものは投資的には忌避される傾向がここ数年顕著です。

以上になります。
①はサイクル的なものなので、反転してプラス材料になることも期待できますが②~⑤は個別事情なのでそうもいかないですね。
こうやって見てみると安定しているイメージの必需品セクターも懸念を挙げればきりがないものですね。
株のもうけは我慢料、これが真理です。

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