2020年9月17日木曜日

日本動物高度医療センター所感

先日PF入りした日本動物高度医療センター(6039)についての所感をまとめます。

アプローチとしては「強い業界」→「恩恵を受ける企業」の流れ。

□業界

ペットの家族化は力強いトレンドで少子化も相まってかペットにかける支出は年々上昇していることがいくつかの統計調査を見ることで分かっている。

ペット飼育の経験が無い私などからすると食事と散歩道具くらいしかイメージできなかったが、内訳をみると「サプリメント」「しつけ・トレーニング」「シャンプー」「洋服」などほぼ人間と変わらない内容となっていることがわかる。

ペットの所有者の愛情の増加に比例してか支出も増加・多様化しているということだろう。

今後日本の消費ポテンシャルの多くを占める高齢層に対してアプローチ可能というのもGoodである。

要はペットビジネスは有望であるという結論となります。


□企業

業界が強くても恩恵を受ける企業が特定できなければ株式投資的には意味がない。

(ちなみに製薬業界については上記の理由から大きくポジションを取ることができないでいる。総体としては拡大していくのでしょうが、勝ち組が誰かが分からないので)

そういった意味では日本動物高度医療センターの優位性は分かりやすい。二次診療に特化することで通常の動物病院との差別化と競合プレイヤーが少ない領域へ資源を集中することができているからだ。

最近は自分の周りでも動物病院の開院が増え、通常であれば競争の発生となるため企業運営としてはマイナスとなるが上記の差別化により通常の動物病院と競合しなくて済む構造となっている。

それどころか下図が示す通り一次診療を行う動物病院経由で病状に応じて紹介を行ってもらう流れを構築している。(同社はこれを連携病院と呼んでいてKPIの一つとしている)

日本動物高度医療センターHPより抜粋

競合プレイヤーも少ない(下図参照)。
また単純に物理的な距離も顧客に選択肢を与えない制約となると考えられる。
(愛するペットが苦しんでいる中でわざわざ遠方の病院に連れていくかという観点)

日本動物高度医療センター決算説明資料より抜粋

高度医療という特性もあってか単価も高く(平均して10万/1診療程度)、利益率もそこそこ高い(2019年度15%程度)。

今後の拡大施策としては①連携病院を増やすこと②別拠点での開院になろうかと思う。
②は2021年秋に大阪病院を開院する予定、地域的なポテンシャルを考えれば福岡→北海道・東北位は採算取れそう。
均すと数年にわたり5%~程度の成長は期待できそうだなという印象です。
景気循環でなく自己の努力で拡大できる企業というのは投資に値すると考えます。

□その他
最大の課題は人材確保と教育。
獣医師の供給が限られている中で拠点の拡大に即した質・量を確保できるかが経営課題の大きい部分を占めると考えます。
そういった意味ではある程度の人件費の上昇は仕方が無いのかな。
業態上顧客満足と従業員満足を満たしていれば利益は自然と追い付いてくると思うので、その辺のバランスも課題かなと思います。

ちなみに買値でのPERは15倍程度。
事業内容的にはもう少し評価されてもいいと思っているが、小型株なことも勘案されてこの状況なのでしょうか。
何気に私が今まで購入した企業の中で一番時価総額が小さいですね(60憶程度)。
相当な急騰か前提が崩れる事象が無い限りはしばらくお付き合いしてもらうつもりです。

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